ルテリカ王国物語

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第三章 変化と成長の兆し◆8

19 その頃フェリクスは、魔法の訓練をしているケビンとカタリナのほうに人が行かないようにしっかり見張りをしていた。 夜の見張り自体には慣れているものの、今回はさほど緊迫感のない見張りである。昨日の野宿のようないつ兵士や獣に襲われるかわからな...
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第三章 変化と成長の兆し◆7

18 小さな風が吹く。 ケビンが手元に出していたロウソクの火が、ふっと消えた。「わりと風の精霊との親和性もあるね」 ケビンの手元の紙に視線を落とす。火、水にバツ印、土に三角と書かれたとなりにある風に丸印をつけた。ちなみに光には二重丸が書いて...
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第三章 変化と成長の兆し◆6

17 時は夜。 酒場で情報収集を済ませた一行は、少しの買い出しをしたあと宿へと足を運ぶ。月明かりが大通りの石レンガに、背の低い影と背の高い影を照らし出す。「すっかり暗くなっちゃった」「どこかの呑んだくれのおかげでな」 ケビンの言葉に、フェリ...
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第三章 変化と成長の兆し◆5

16 台地を少し北上したところにあるサバルトは、大幅に街道から逸れたところに位置する落ち着きある田舎町だ。 しかし、付近に鉱山があるため、鉱石の輸出が盛んである。 しかもその鉱石はサバルト近辺特有の〝サバライト鉱石〟あるいは〝サバルト銀〟と...
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第三章 変化と成長の兆し◆4

15 時刻は昼前といったところ。サバルト台地にはあっさりと抜けることができた。 暖かな熱を放つ太陽が光を注ぐ、背の低い草木の茂った草原地帯であるサバルト台地は、洞窟とは打って変わって新鮮な空気で満ちていた。 ここまでだいたい三十分強。あの迷...
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第三章 変化と成長の兆し◆3

14 ケビンによれば、この洞窟は巨大な地下トンネルとなってこのシェネット伯爵領にまたがっているらしい。つながっている場所は三箇所で、一つはカタリナたちが暮らしていたティリス街付近……つまりこの洞窟に入るときに使った穴。そしてもう一つは奴隷商...
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第三章 変化と成長の兆し◆2

13「で、話って何さ」 カタリナの診察と治癒が終わって、ケビンの傷はほぼ完治した。すっかり顔色が良くなった彼が向かったのは、約束通りフェリクスの元である。とても大切な話だと言って、カタリナには席を外してもらっていたのをケビンは見ていた。「お...
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第三章 成長と変化の兆し◆1

12 ケビンが肌寒さに目を覚ます。首だけを起こしてその視界に最初に入ったのは、洞窟の壁を背に自分を看病するカタリナだった。 ケビンはほとんど服を脱がされた状態にある。 地べたが冷たい。薄地の布は敷かれているものの、間接的に土に触れている背中...
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第二章 心の傷に巣食う闇◆6

11 カルフォシア領カルフォシア公爵邸。 その建物はやけに巨大で、やけに豪華に飾られている。外観はもちろんのこと、邸内の廊下に敷かれた赤いカーペットやどこまでも伸びる純白の壁はいかにもな高級感を漂わせており、持ち主の財力を存分にアピールして...
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第二章 心の傷に巣食う闇◆5

10 三人で談笑しながら食を進めて、やがて朝食を終えた。一番初めに片付けを終えたフェリクスがひとりごちる。「さすがに遅くないか」「僕も思っていたところだよ」 片付けを続けながら、ケビンが同意した。 レジスタンスと王国兵が争っていたあのときか...
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